○鹿嶋市防災対策基本条例

平成25年3月19日

条例第5号

目次

第1章 総則(第1条―第3条)

第2章 市民及び事業者における自助及び共助並びに市の責務

第1節 市民の自助及び共助(第4条・第5条)

第2節 事業者の自助及び共助(第6条・第7条)

第3節 市の責務(第8条・第9条)

第3章 予防対策

第1節 防災まちづくりの推進(第10条―第13条)

第2節 啓発活動及び防災教育の推進(第14条・第15条)

第3節 防災訓練(第16条)

第4節 自主防災組織(第17条)

第5節 災害時要援護者に対する施策(第18条)

第6節 業務継続計画(第19条)

第7節 ボランティアへの支援(第20条)

第4章 応急対策

第1節 応急体制等の整備(第21条―第23条)

第2節 避難(第24条―第26条)

第3節 帰宅困難者対策(第27条・第28条)

第5章 復興対策(第29条)

第6章 雑則(第30条)

附則

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は,平成23年3月11日に発生した東日本大震災での教訓を踏まえ,防災対策について基本理念を定め,市民,事業者及び市の責務と役割を明らかにするとともに,災害の予防対策,応急対策及び復興対策に関する基本的事項を定めることにより,防災対策を総合的かつ計画的に推進し,もって市民等の生命,身体及び財産を災害から保護することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において,次の各号に掲げる用語の意義は,それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 災害 災害対策基本法(昭和36年法律第223号。以下「法」という。)第2条第1号に定める災害をいう。

(2) 防災 災害を未然に防止し,災害が発生した場合における被害の拡大を防ぎ,並びに災害の復旧及び復興を図ることをいう。

(3) 市民 市内に住所を有する者及び居住する者をいう。

(4) 事業者 市内で事業活動を行う個人,法人その他団体をいう。

(5) 市民等 市民及び市内に勤務し,在学し,若しくは滞在し,又は市内を通過する者をいう。

(6) 自主防災組織 自治会等を単位として自主的に結成された防災組織をいう。

(7) 防災関係機関 警察署,消防署その他防災対策を実施する茨城県(以下「県」という。)の関係機関及び法第2条第3号から第6号までに規定する機関をいう。

(8) 帰宅困難者 災害時において,市内における通勤,通学者又は買物その他の理由により来店し,若しくは来所する者等で徒歩により容易に帰宅することが困難な者をいう。

(9) 災害時要援護者 高齢者,障がい者等で災害時において特に援護を要する者をいう。

(10) 業務継続計画 災害時に優先されるべき業務の継続及び通常業務の早期復旧を図るために必要な手段,体制等を事前に定めておく計画をいう。

(基本理念)

第3条 防災対策は,次に掲げる考え方に基づき,市民,事業者及び市がそれぞれの責務と役割を果たし,相互に連携を図りながら協力することを基本理念として行わなければならない。

(1) 自らのことは自らが守るという「自助」の考え方

(2) 地域において互いに助け合うという「共助」の考え方

(3) 市が市民等及び事業者の安全を確保するという「公助」の考え方

第2章 市民及び事業者における自助及び共助並びに市の責務

第1節 市民の自助及び共助

(市民の自助)

第4条 市民は,次に掲げる事項その他必要な事項について,自ら災害に備える手段を講ずるよう努めなければならない。

(1) 建築物その他の工作物の安全性の向上

(2) 家具の転倒の防止

(3) 出火の防止

(4) 初期消火に必要な用具の準備

(5) 飲料水,食糧等生活必需品の備蓄

(6) 自家用車へのガソリン等燃料補給に対する対応と心構え

(7) 避難の経路,場所及び方法についての確認

(8) 防災に関する知識及び技術の習得

(市民の共助)

第5条 市民は,自己及び家族の安全の確保に努めるとともに,相互に協力し,地域住民の安全の確保に努めなければならない。

2 市民は,市及び防災関係機関等が実施する防災対策事業に協力するよう努めるとともに,地域における自主的な防災対策活動に参加するよう努めなければならない。

3 市民は,災害発生後災害復旧の推進及び支援活動に協力し,復興に努めなければならない。

第2節 事業者の自助及び共助

(事業者の自助)

第6条 事業者は,その社会的責任に基づき,その管理する施設及び設備の安全性の確保に努めるとともに,従業員,事業所に来所する者及び事業所の周辺地域住民の安全確保に努めなければならない。

2 事業者は,帰宅困難者の対策のため,飲料水,食糧その他災害時において必要となる物資を備蓄するよう努めなければならない。

(事業者の共助)

第7条 事業者は,市民及び自主防災組織等との連携を図りつつ,地域における自主的な防災対策活動に協力するとともに,市,防災関係機関等が実施する防災対策事業に協力するよう努めなければならない。

第3節 市の責務

(市の責務)

第8条 市は,市民等の生命,身体及び財産を災害から保護し,その安全を確保するため,防災体制を整備し,必要な施策を実施しなければならない。

2 市は,防災対策を行うに当たり,国,県及び他の市町村との連絡調整を行うとともに,市民,事業者,自主防災組織,防災関係機関,ボランティア等との連携及び協力に平常時から努めなければならない。

(地域防災計画の実施)

第9条 市は,法第42条第1項の規定により作成された鹿嶋市地域防災計画に基づき,防災対策を的確かつ円滑に実施しなければならない。

第3章 予防対策

第1節 防災まちづくりの推進

(災害に強いまちづくりの推進)

第10条 市は,道路,公園等の都市基盤の整備,土地利用の誘導等の施策を通じて,災害に強いまちづくりを総合的に推進しなければならない。

(公共施設の安全性の確保)

第11条 市は,その管理する建築物その他の公共施設の耐震性及び耐火性を強化し,その安全性の確保に努めなければならない。

(民間建築物等の安全性の向上)

第12条 市は,市内に存する公共施設を除く建築物その他の工作物の民間建築物等(以下「民間建築物等」という。)の耐震性及び耐火性の確保並びに落下物の防止のため,調査又は適切な助言若しくは指導に努めなければならない。

2 市は,前項の目的を達成するため,民間建築物等の所有者に対し必要な助言を行うものとする。

(風水害対策)

第13条 市は,台風,集中豪雨,津波等による浸水等の被害を未然に防止し,又は被害を最小限にとどめるため,国,県及び防災関係機関と調整を図るとともに,その対策に努めなければならない。

第2節 啓発活動及び防災教育の推進

(防災に関する知識の普及及び情報の提供等)

第14条 市は,防災に関する知識の普及及び情報の提供を積極的に推進し,市民等の防災に関する知識及び意識の向上に努めなければならない。

(防災教育の推進)

第15条 市は,教育委員会が実施する学校教育及び社会教育を通じて防災教育の充実に努めるとともに,自主防災組織,消防団等が実施する防災教育に対し必要な支援を行うよう努めなければならない。

第3節 防災訓練

(防災訓練の実施)

第16条 市は,自主防災組織,防災関係機関等との連携を図り,防災訓練を積極的に行わなければならない。

2 自主防災組織は,災害の発生に備え,防災訓練を実施するよう努めなければならない。

3 市は,前2項の防災訓練が円滑に実施できるよう,必要な措置と支援を行うよう努めなければならない。

第4節 自主防災組織

(自主防災組織の育成)

第17条 市は,自主防災組織の育成のため,資器材の供与等,研修の実施,防災に関する意識の啓発その他必要な支援を行うよう努めなければならない。

2 市は,自主防災組織の活動の促進を図るため,地域の防災リーダーの育成に努めなければならない。

3 市は,自主防災組織,消防団その他災害時に支援活動を行う団体が,相互連携を図り,補完し合うことにより,市内で被災した市民等に対して必要な活動を一体的かつ効果的に行うことができるネットワークづくりの促進に努めなければならない。

第5節 災害時要援護者に対する施策

(災害時要援護者に対する施策)

第18条 市は,災害時要援護者に対する施策を推進するよう努めなければならない。

第6節 業務継続計画

(業務継続計画)

第19条 市は,業務継続計画を策定するとともに,必要に応じてその検証を行わなければならない。

2 事業者は,その事業の継続が地域社会の復旧及び復興に寄与することを自覚し,業務継続計画を策定するよう努めるとともに,必要に応じてその検証に努めなければならない。

第7節 ボランティアへの支援

(ボランティアへの支援)

第20条 市は,災害時において,ボランティアが市内で被災した市民等に対する支援活動を円滑に行うことができるように,活動拠点の提供その他必要な支援を行うよう努めなければならない。

2 市は,県,公共的団体等との連携を図りつつ,協力してボランティアの育成に努めなければならない。

第4章 応急対策

第1節 応急体制等の整備

(応急体制の整備)

第21条 市は,災害時における避難活動及び救援活動を円滑に行うため,次に掲げる事項その他必要な事項について,あらかじめ,国,県,自主防災組織,防災関係機関及び事業者との連携を図り必要な措置を講ずるよう努めなければならない。

(1) 救出用及び救助用の機器等の整備に関すること。

(2) 飲料水,食糧その他避難生活に必要な物資の備蓄等に関すること。

(3) 緊急輸送に関すること。

(4) 避難所に関すること。

(5) 道路上の障害物の除去に関すること。

(6) 医療救護に関すること。

(情報連絡体制の整備)

第22条 市は,災害の発生に備え,あらかじめ,災害に関する情報収集及び連絡体制を整備し,並びに災害時に的確な情報を市民等及び事業者に対し周知する方法を確立しなければならない。

2 市民等及び事業者は,市が災害時に地域の被災状況を速やかに把握する上で,災害に関する情報の提供等などに努めなければならない。

(他の地方公共団体等との協定の締結等)

第23条 市は,災害時に迅速かつ的確に協力の要請を行えるよう,あらかじめ他の地方公共団体,公共的団体又は事業者と協定を締結するものとする。

2 市は,大規模な災害が発生した場合には,前項の規定に関わらず協定を締結していない公共的団体及び事業者に対しても,応急対策等に関する支援を要請するものとする。

第2節 避難

(避難所の設置等)

第24条 市は,災害時における地域の活動拠点として,必要があると認めるときは,市立公民館,市立小学校及び中学校その他市有施設等に避難所を開設しなければならない。

2 市は,前項の避難所を災害時における地域の活動拠点として活用するため,平常時から物資の備蓄,機器の整備等に努めなければならない。

(令4条例24・一部改正)

(代替施設の確保)

第25条 市は,災害の規模その他の状況により,前条第1項の避難所の使用が困難な場合に備え,事業者の協力を得て,避難所の機能を一時的に代替えする施設を確保するよう努めなければならない。

(避難誘導方法の確立)

第26条 市は,あらかじめ,防災関係機関との連携を図り,災害時に市民が避難所及び広域的な避難場所に安全に避難するために必要な避難路の確保に努めるとともに,避難誘導の方法を確立し,市民,自主防災組織等に周知しなければならない。

第3節 帰宅困難者対策

(帰宅困難者の事前準備等)

第27条 帰宅困難者となるおそれのある者は,災害時において安全に帰宅することができるよう,あらかじめ家族との連絡手段の確保,徒歩による帰宅経路の確認その他必要な準備を行うよう努めなければならない。

(帰宅困難者対策の実施)

第28条 市は,災害時における帰宅困難者の混乱を防止するため,あらかじめ,他の地方公共団体及び防災関係機関との連携を図り,必要な措置を講ずるとともに,帰宅困難者対策を推進するための団体の結成及びその活動に対して,必要な支援を行うものとする。

2 市は,災害時に他の地方公共団体,防災関係機関,事業者,前項の帰宅困難者対策を推進するための団体との連携を図り,帰宅困難者に対して適切な情報提供等を行うよう努めなければならない。

3 市は,帰宅困難者対策のため,国,県,防災関係機関,事業者,学校等に対し一時受入場所の確保,飲料水,食糧その他災害時において必要となる物資及び避難誘導用具の備蓄並びに情報連絡体制及び避難誘導体制の確立を求めるものとする。

4 市は,必要があると認めるときは,前項の規定により帰宅困難者対策を実施する事業者,学校等に対し必要な支援を行うものとする。

第5章 復興対策

(復興対策)

第29条 市は,災害により市内に重大な被害が発生したときは,国,県,防災関係機関等との連携を図り,速やかに被災した地域の復興に努めなければならない。

2 市民及び事業者は,災害により市内に重大な被害が発生したときは,相互に協力し,被災した地域の復興に努めなければならない。

第6章 雑則

(委任)

第30条 この条例に定めるもののほか必要な事項は,規則で定める。

この条例は,平成25年6月1日から施行する。

(令和4年12月20日条例第24号)

(施行期日)

1 この条例は,令和5年4月1日から施行する。

鹿嶋市防災対策基本条例

平成25年3月19日 条例第5号

(令和5年4月1日施行)

体系情報
第8編 生/第5章 市民生活/第2節 災害対策
沿革情報
平成25年3月19日 条例第5号
令和4年12月20日 条例第24号