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八、鎌足神社

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記事ID:0066589 更新日:2022年11月1日更新

『櫻齋随筆』より)

 鹿嶋市宮中字下生(しものう)にある鎌足神社は、藤原鎌足の出生地と伝えられています。鹿島則孝はその説について出典を挙げて紹介し、同じ中臣藤原氏なので大宮司家で代々祭っていると記しています。

 鎌足の出生地は、当地の他に奈良県橿原市であるという説もあります。​

読み下し文

鹿島神社考ニ云。社傍有小祠。曰、大職(織)冠宮傳言。藤原鎌足所生處也。大鏡簾中抄下學集並云。鎌足常陸人也。是可以證矣。其它詳神祇考故不復贅。孝云、下生社是也。中臣藤原一家故、大宮司尓天代々祭之。

現代語訳

 「鹿島神社考」によると、社の傍らに小さな祠(ほこら)がある。これは大職冠(だいしょくかん)*1の宮と伝えられている。「大鏡(おおかがみ)」*2と「簾中抄(れんちゅうしょう)」*3と「下學集(かがくしゅう)」*4が共にここが藤原鎌足の出生地であると記している。鎌足は常陸の人である。これが証拠である。その他、「神祇考」に詳しいので繰り返さない。(鹿島)則孝が言うには、下生(しものう)の社がこれである。同じ中臣藤原氏なので、大宮司家が代々これを祭っている。

*1 大職冠(だいしょくかん)は藤原鎌足が授けられた最上の冠位で、他に授けられた者がいないことから、鎌足本人の事を指す。
*2 平安後期の歴史物語。藤原氏全盛期の様子を描く。
*3 平安時代末期に記されたとされる公家の生活に必要なものについて記した一種の百科事典。
*4 室町時代に成立した国語辞典。

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